HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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有限と微小のパン―THE PERFECT OUTSIDER/森博嗣
1998年に文庫化された『すべてがFになる』に続く内容となるシリーズ最終作。これを読んだら改めて『すべてが…』を読みたくなる事必至。あれは衝撃的な作品だったなぁ、以前ダ・ヴィンチの特集で「ゲーム化したい小説」の一位になったので読んでみたのだった。それで森作品にハマったのだ。何と言っても私は数字にめちゃくちゃ弱い女。登場人物が全て理系、という私にとってはまさにフィクションの世界にのめりこんでいったのよね。
 このシリーズでは、底辺に犀川と萌絵の恋愛と、犀川の隠された人格というテーマが流れていた。その全てが最終作で全て解決・解明するのか!というのが楽しみだったのだが、そこは何故か曖昧。まぁ二人は『封印再度』で婚約しているので、一応決着を見てるのかもしれないけどね。小学生の恋愛じゃあるまいし、さっさと先に進めば?とか三十路のオバさんはイライラしちゃう訳なんだけども。
 しかし今回の作品は、これまでみたいな美学はあまり感じられない作品だった。ある意味、真賀田博士の存在自体が美学なのかもしれないけど、ああゆう狂人ってあんまり好きじゃないんだよねー。リアリティがないし、愛すべきキャラじゃないし。しかも今回の仕掛けはかなり悪趣味だ。トリックを一生懸命考えている読者(=私)が可哀想じゃないかー!
 塙社長はかなり好みのキャラだったので、これっきりかと思うとちょっと残念。もっと前に出てきて物語をかき回して欲しかったなぁ、まだ読んでいない短編に登場する事を願うわ。この作品が最初に発表されたのは1998年。コンピュータの能力はこの3年で飛躍的に上がっているので作品中に登場するVR技術は今となってはお粗末だが、当時は最先端だったんだろうなぁと思う。かなり長い間VR技術を駆使したシーンが繰り広げられるので、ある程度のCG知識はあった方がイメージしやすいだろう。私はゲーム業界15年だからねー、エンタテイメント系3DCGの知識についてはバッチリでしたけれども。そのような設備や最先端技術の描写や設定に力を注いで、物語がお留守になっちゃったかなって感じの作品。でも『THE PERFECT OUTSIDER』という英題は結構気に入っている。物語の核心をつく題名、しかも『すべてが…』の英題『THE PERFECT INSIDER』と対になっているところもイイ。って言うか、そっから物語作ったのかなって感じだけど。そこら辺は今度発売になる『森 博嗣のミステリィ工作室』で明かされるかもしれないので楽しみにしていよう。この間ダ・ヴィンチでうっかり見ちゃった森先生の素顔を想像しながら読ませていただくわ。でも、やっぱ先生の顔はミステリィであった方が、良かったかなぁ…。
有限と微小のパン―THE PERFECT OUTSIDER 有限と微小のパン―THE PERFECT OUTSIDER
森 博嗣 (2001/11)
講談社
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