HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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ジャッカルの日/フレデリック・フォーサイス
『森博嗣のミステリィ工作室』という本の中に、著者が影響を受けたミステリ作品を100冊紹介するというコーナーがあった。年が近いせいもあるが、私の読書歴とかぶるかぶる。それで懐かしくなって実家の書庫をあさっていた時に見つけたのが本書だ。
 初刷は昭和54年、1979年だから20年以上前の作品である。私が最初に読んだのは大学生の時だった。就職活動の時、面接で「趣味は読書という事ですがどんな作品を読んでいるんですか」と聞かれて「フォーサイスが好きです」と答えたのを覚えている。横溝正史だのシャーロック・ホームズだのアガサ・クリスティだの、純粋な推理小説ばかり読んでいた私にとってこの本は「こんなジャンルの作品があったのか!」という衝撃の一冊だった。それから私はアクションものやスパイものも読むようになっていったのだから、これは私の人生に大きな影響を与えた金字塔的な作品なのである。
 まず追う者と追われる者のスリルがたまらない。フォーサイスの次作『オデッサ・ファイル』も同様の傑作だったが、本書は主人公のカッコ良さが秀逸。大統領の命を狙う殺し屋と言うと妙に暗くて孤独な男を思い浮かべてしまうが、彼は上品な頭脳派である。超一流ホテルで優雅に過ごす楽しみ方を知ってるし、酒場で下手なウンチクたれたりしない。そして地道な泥臭い手法でじわじわと彼を追いつめていくのがルベル警視だ。この対照的な二人の攻防戦に、駆け引きと保身だらけの政治の世界が絡んで物語はドラマティックに進んでいく。そして最後に用意されたサプライズ。今読んでも充分楽しめるミステリである。
 舞台は1960年代のフランス。当時の政治状況を理解していた方が、物語は数倍面白いだろう。あとがきによると、実在の登場人物もたくさんいるようなのだ。恥ずかしながら私は当時のフランス政策など全然覚えてなかったので、ジャッカルが登場するまではちょっとつらかった。第一「なぜドゴールは命を狙われなければいけないのか」が分からない。また他国と陸続きっていう環境は、島国である日本育ちの私にはなかなか理解できない部分もあり。4時間後にウィーンで待ち合わせ、なんて日本じゃ考えられない。イタリアで借りたレンタカーをフランスに持ち込むなんて事もできるんだねぇ。そういう所で育ったら、考え方もかなり違ったんじゃないかと思う。もちろんそれなりの政治的軋轢ってのは日本以上にあるのかもしれないけど。世界を股にかけた暗殺計画、日本人じゃ絶対考えられないプロットに脱帽する事しきりである。
ジャッカルの日 ジャッカルの日
篠原 慎、フレデリック・フォーサイス 他 (2000)
角川書店
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