HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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闇の楽園/戸梶圭太
『溺れる魚』が気に入ったので、文庫化された著者のデビュー作を読んでみる事に。相変わらずいろんな事をキチンと調べてありますよ、若き社会派作家って感じかなぁ。複雑な人間関係とか二重三重にかけられた策略とか、一歩間違えば単なるドタバタ劇を上手く一つの物語にまとめてある。700ページを超える長編だが、スピーディな展開であっという間に読める傑作だ。
 キーワードは「都心から二時間ほどの田舎にある巨大な敷地」。その土地を巡って、土地の所有者と主人公とカルト教団と産業廃棄物業者と町会議員と町長とその娘とその彼氏と町役場の職員…などなどが大騒動に巻き込まれてゆく物語だ。暴力と狂信、罠とセックスと暴動。そんな状況がスピーディに展開して、人間関係をぐちゃぐちゃにしてゆく。カルト教団の存在が、実に不気味でいいテイストになっている。ホントにあるんだろうなこんな話…と思えてしまうリアルさもイイね。
 あとがきは映画版『溺れる魚』の堤監督。その中でも語られていたが、戸梶作品の魅力は「実在する言葉」である。ブランド品や芸能人、コンビニの名前などが全て実名で出てくる。リアルな単語たちが創作にリアリティを与える、その手法はまるでスティーブン・キングの様ではないか。登場人物の生き生きとしたセリフも、その一つ。いかにも創りました、想像してくださいっていうノンフィクションものとは違う魅力があるのだ。
 物語全体の奥深さは『溺れる魚』には敵わないが、デタラメさ加減は本作の方が好み。ご都合主義的な強引な展開もあるが、まぁそこはご愛敬。「破天荒な犯罪をポップなノリで描く」という紹介がピッタリな作品だ。相変わらずぼやけたラストがイマイチ気に入らないが、そこは今後の作品に期待って所かな。石田衣良と共に、これからが楽しみな作家だ。
闇の楽園 闇の楽園
戸梶 圭太 (2002/01)
新潮社
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