HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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監禁/ジェフリー・ディーヴァー
『悪魔の涙』が気に入ったので、彼の初期作品を読んでみる事にした。これはジェフリー・ディーヴァーが高く評価された『静寂の叫び』の前に発表された作品だが、なかなかの良作である。「そんなのアリ?」的な展開も多少あるが、恐ろしく狡猾で知能の高い犯人を相手にどこまで真実に迫れるのか、最後までドキドキしながら楽しんだ。それでもやはり『静寂の叫び』を読んでみないと、彼の真骨頂は味わえないのかもしれないなぁ。
 最後まで犯人が分からないパターンの『悪魔の涙』と違い、こちらは犯人の視点に立った誘拐事件からスタートする。動機は何なのか、両親たちは犯人を見つける事ができるのか。追いつめる側と追われる側の攻防戦はまさにサスペンス!といった造りで面白い。似ている所では『羊たちの沈黙』タイプと言うかコロンボシリーズと言うか。まぁ解決直前の詰めがイマイチ甘くて、最後は肩すかしくらったりもしたのだが。
 邦題は『監禁』だが、原題は『SPEAKING IN TONGUES』。「意味不明=神がかり、神の言葉を話す」といったような意味である。つまりはアーロンの事を指しているのだが、その題名でも分かる通りこの物語の面白さは一歩二歩先を読んで行動するアーロンの知能の高さである。決して「監禁」がキーワードではないので、猟奇モノとか陵辱モノとかを期待して読んではいけない。どうしてこんな邦題にしたのか、意味不明でまさにSPEAKING IN TONGUESであるなぁ。
 何故アーロンはテイトの娘を誘拐したのか。誘拐した後、彼は何をするつもりなのか。テイトとどのような関係があるのか。などの疑問を一気に解決するラストでは、衝撃的な事実が告げられる。そこらへんの造りが、いかにもディーヴァー。そして爽やかな読後感を残すエンディング。『悪魔の涙』同様、かなり映画的な物語の造りである。映像関係の仕事をしてた人かと思ったら、ディーヴァーは元弁護士だそうで。それでなくちゃ、あんな犯人の行動は想像つかないよねぇ~。アーロンの人を煙に巻く話し方なども、前職での経験が生きているのかもしれない。『羊たちの沈黙』などの知能犯と違うところは、ディーヴァーが描く犯人には明確な動機がある事だ。場当たり的な犯罪は存在しない、細部まで緻密に仕組まれた計画の上に成り立っている。多少のトラブルも、フレキシブルかつ頭脳的に処理していく。その辺が私の好きなところ。パズルにも似たサスペンスが堪能できる作品だ。でもまぁ、初めてディーヴァーを読むなら『静寂の叫び』以降のものから選んだ方が良いのでは。本作はディーヴァーの実力を認めた上で読む事をお薦めする。それなら、多少の齟齬も気にならないはずだ。
監禁 監禁
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