HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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シャーロック・ホームズの冒険/コナン・ドイル
『四つの署名』を発表した後、「ストランド」誌で連載した短編をまとめた作品集。原書では12作品が収録されているが、この本には10篇しか収録されていない。ナニ~!?と思ったが、残りの2作品『技術者の親指』と『緑柱石の宝冠』は新潮文庫『シャーロック・ホームズの叡智』に収録されているのでホッと一安心。今になって全集を揃えるぞ!と暴挙に出たというのに未収録作品があったんじゃあ形にならないもんね。
 『ボヘミアの醜聞』『まだらの紐』あたりはトリック犯罪の名作として有名だが、私は違う意味で『ボヘミア…』が好きだ。探偵に私的感情は必要ないという朴念仁のホームズが、これに登場するアイリーン・アドラーという女性だけにはちょっと心が動かされてしまったようで愛らしいのだ。この作品を小学生の頃読んで、そんなホームズの秘められた想いにロマンスを感じたものだ。オトナになって読むと、よりその切なさが伝わってきてイイね。最後に彼女の写真を欲しいというあたりがかわいらしくていいではないか。
 『赤髪組合』は奇抜なアイディアが面白いが、犯人を断定する過程には少々不満が残る作品。『花婿失踪事件』は『まだらの紐』や『椈屋敷』と似たような設定で、財産を狙う義父が一計を講じる物語だ。『ボスコム谷の惨劇』は『オレンジの種5つ』同様、何ともやりきれない結末で終わる。『青いガーネット』はちょっぴりユーモラスな盗難事件を、『花嫁失踪事件』は戦争が招いた悲劇を描く。どれもホームズの魅力で彩られた傑作である。
 しかし有名な『まだらの紐』や『ボヘミアの醜聞』も、今となると結構無理のある作品だったのだな。当時の警察が無能なだけかもしれないが、現代だったら物語にもならないような事件ばかりである。ま、そこが古典の楽しいところでもあるのだけれども。短編なのでどれも濃厚なバックボーンがあるような物語ではないが、短編ならではのアイディア溢れる作品ばかりだ。私は「乞食は三日やったらやめらない」という話を『唇の捩れた男』を読んで学んだのだ。大人向けとは思わずに、子供の頃から親しむ文学として勧めたい作品だと私は思うよ。
シャーロック・ホームズの冒険 シャーロック・ホームズの冒険
延原 謙、コナン・ドイル 他 (1953/03)
新潮社
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