HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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百夜行/東野圭吾
ドラマ化もされたベストセラー小説。小説では主人公の二人の心情は一切明かされず、最後になって今までの謎や伏線が一気に繋がってゆくというスタイルで進んでゆく。しかしドラマは最初から犯人を明かすという形で進んだため、読者の間で様々な論議を呼んだらしい。ま、その違いはどうでも良い。問題は私が東野圭吾をあまり好きではない、という事なのだ。最初に読んだのが『秘密』だったのがいけなかったのかもしれないが、それ以来彼の作品は一度も読んでいない。とりあえず今回は貸してくれるというので読んでみたのだが…果たしてこの本はベストセラーに値する傑作なのだろうか??
 物語は最初の殺人が起こった1973年から1992年までの19年間に起きた出来事を時系列で説明しながら進んでゆく。様々な登場人物がぐちゃぐちゃな順番で登場するので、人物の名前を覚えるのが最初は大変だったよ。そのバラバラなエピソードが、最後には一つにまとまってゆく…ハズなんだけど。私にはどうも最後の決着の仕方が納得できなかったのだ。て言うか、彼女の目的が分からないよぅ。何故?何故彼女はあんな事しなきゃいけなかったの??そして彼女にとって亮司は何だったの??
 この作品は主人公二人の心の声を一切書かず、二人については周囲の人から見た行動の説明のみで描かれるという手法を取っている。つまり二人が何を考えているのか、何を考えていたのかが全く分からないまま物語は進む。だから動機が最後まで分からないのだ。事件を調べている刑事や探偵の今枝や雪穂の学生時代の友人・篠塚ら周囲の人間が「こうだったんじゃないか」と想像するだけで、事実は明かされない。それが何とももどかしいと言うか、スッキリしないと言うか。謎を投げかけたら、キチンと解決して欲しい。ミステリにそれを望むのはごく自然な事だと思うんだけどなぁ…。まぁ明かさないからこそ二人の心の闇みたいなものが強調される造りではあるのだが、それにしては亮司の末路が可哀想すぎる。何故彼があんな扱いをされなければいけなかったのか…。少なくとも私には、二人の間に愛情があったとは思えなかった。その辺の心情が理解出来ないと東野作品は楽しめないのだろうか?いや、そう思えなかったって事は構成や設定に問題があったとも考えられるが…。やっぱ私は彼の作品は苦手かも。
 文庫版のあとがきは馳星周先生。その中に「これぞノワール小説だ」という一文があるが、その意見には激しく同意できた。幼い頃に受けた傷が原因で心に闇を作ってゆくという悲しさは理解できる。でもそれにしては人が死にすぎだ!しかもその殺人は全てが自分勝手なもので、「仕方がなかったんだ」という切なさや悲しさは全く感じられない。そこら辺の設定に底の浅さを感じる。つーか作者の力量不足かなぁ。 ただ、小説としての構成は巧い。次を知りたくてどんどん先を読みたくなる。その時代の世相を絡めて事件が起こるという設定も面白い。昔のPCゲームはカセットテープを使って遊んでいたんだよねぇ…キャッシュカードの磁気カード偽造とかオンライン詐欺事件とか…懐かしい話だ。全てのエピソードに伏線が引かれ、あちこちに散りばめられた伏線の欠片を集めると物語の全容が見えてくるが、誰も事実を断言出来ない。私には、ひたすら雪穂が悪人に見えただけで彼女に何の同情も魅力も感じられなかったのだが、男性が読めば違った感想があるのかもしれないね。まぁ読んでガッカリする事はないと思うけど、ベストセラーになる程の傑作か?と言われると微妙、かな。
白夜行 白夜行
東野 圭吾 (2002/05)
集英社
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

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