HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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ゼロの焦点/松本清張
本書の初版は昭和48年発行である。私は高校生の頃に一度読んでいるのだが、内容は全く覚えていなかった…。覚えてたのは東北弁と似た出雲方言というのがある事と、「カメダ」というキーワードと、親子が背負っている過去くらい。現在放映されているドラマ版を毎週楽しみに見ている私としては、どうしても原作が読みたくなってしまったのだ。犯人が誰か、は既に分かっている状態なのだが、それでも楽しめる名作なのだろうかこれって?
 しかしこの作品を評価するには、発表されたのが今から30年以上前だという事を念頭において考える必要があるだろう。何しろ世界の何もかもが現在とは違いすぎる。だって犯人の産まれた年が昭和8年なんだよ?両親よりも年上だっちゅーの。清張は社会派小説の先駆者的存在である。当時の社会情勢に照らし合わせて事件を理解しないと、犯人の背負っている業や刑事の苦労に共感できないもんね。
 と、それは良かったのだが。無駄なストーリーが多すぎる!今西刑事が見当違いな捜査をしている、という設定はミステリの定石としてOKなのだが、見当違いの捜査を説明するページ数が多すぎじゃないかい?その割に、今西はいきなり事件の核心に触れる“何か”を思いつき、事件は一気に解決に向かっていくのだ。その“何か”を何故今西が思いついたのか。その前に、まず彼は“何を”思いついたのか。その説明が一切なく、いきなり彼は犯人の親を調べ出すのである。その唐突さには読んでるこっちがビックリしたよ。それまでは今西が足を使って捜査しても捜査しても空振りに終わるじれったさに引き込まれていたんだけども。何か肩すかしでガックリって感じだったなぁ~。ラストはセンスがあってかなり好みだったんだけど。
 これを原作として現在ドラマが放送されているが、このままでは絶対に不可能なトリックがたくさんある。それを現代版にどうアレンジするのか、実に楽しみだなぁ。親子が背負っている業を何にするのか?犯人はどうやって他人の戸籍を手に入れたのか?もし第二、第三の殺人が起こるとしたらその手段は何か?その辺がドラマ版のお楽しみではないだろうか。それをはしょったらドラマ版の魅力はゼロでしょうね。ドラマ版との違いを楽しみながら読むのは面白いかもしれないけど、現代ミステリを読み慣れた人が楽しむにはちょっと無理がある作品かも。ま、これも発表当時は最先端のミステリだった、という事を理解しながら読むなら傑作かもしれないけど。
ゼロの焦点 ゼロの焦点
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2009/11/08(日) 06:54:52 | | #[ 編集]
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