HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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ルージュ・ノワール赤・黒~池袋ウエストゲートパーク外伝/石田衣良
愛する石田衣良先生の最新文庫作は、『IWGP』の外伝である。主人公の小峰が行動を共にするのはマコトの同級生だったヤクザのサル、そして仕掛けの一部にはキングも登場して物語を盛り上げてくれる。ま、あくまで外伝なので彼らの活躍はサブストーリー的な構成なのだが。この作品、シリーズ2作に比べて断然文章が巧くなってて面白いぞ。
 真夏の早朝の池袋。狂言強盗の後に起こった、仲間割れによる殺人事件。ヤクザに脅されて犯人を捜し始める小峰。彼の本業である映画製作に絡んだ恐喝事件、明らかになった犯人、金を取り戻すための最後の賭け。ここまでの物語が335Pにぎっしりと、そしてスピーディーに描かれている。全てのエピソードに割かれたページ数も内容も丁度良く、テーマが多い割に飽きることがない。まぁ映画製作絡みの恐喝事件は、キングを登場させるだけの“つけたし”っぽいお話だけれども。
 カジノがテーマという事で、最後はルーレットの大勝負が仕掛けとなる。これはね…。ルーレットのルールや形状が多少なりとも分かってないと臨場感ゼロだろう。題名になっている「赤・黒」は、球の落ちる場所が赤か黒かを賭ける手法で倍率は2倍。1点賭けで戻ってくる金額は元金の36倍。それだけ覚えて、手に汗握るラストゲームの行く末を見守ろう。
  トリックにまみれた物語、カジノで身を滅ぼした男が這い上がってゆくクライム・サスペンス。話のネタは馳星周チックだが、相棒のサルが知性的でイイ味を出している。そこら辺が馳先生の物語と違うところ。ヤクザの種類も様々、それが池袋テイストなのかどうか分からないが、主人公にも知性の光が残っている分だけ救われる話だ。ま、最後の大勝負をルーレットでって辺りがちょっと強引だけれども。単なるノワール小説ではない、謎解きの楽しみも味わえる石田先生独特のストーリーだ。『IWGP』ファンなら必読、スマートな先生の知性あふれる物語を堪能しましょう!
ルージュ・ノワール 赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝 ルージュ・ノワール 赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝
石田 衣良 (2004/02/05)
徳間書店
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

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