HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
201708<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201710
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
燃えよ剣/司馬遼太郎
本書は新選組ファンなら読まなければいけないバイブルである。しかも“mustな”程に。それをファンになって一年近く経ってから読んだ私…。でも、それで良かったなと思った。新選組や幕末について全く知識がない状態で読んだら、「?」の連続で物語を楽しむ余裕もなかっただろう。これは歴史書ではない。読み物としての小説なのだ。筆者のフィクションも多分に入っている。何たって宿敵・七里研之助も恋人・お雪も架空の人物なんだもんね。「こんなトシさんもアリだよね~♪」くらいの気持ちで読まないと、キケンな本なのである。
  歴史書じゃないから、これを読んだから新選組についてめちゃくちゃ詳しくなる訳ではない。でも主人公はトシさんだ。歴史小説のヒーローとして活躍するトシさんを堪能できるので、トシさんファンにはたまらない一冊だろう。彼の強い部分も弱い部分も丸ごと受け止められる、詳細なエピソードがてんこ盛りである。
 何と言っても今までの本では全く紹介されてこなかった、トシさんの恋愛模様が楽しめるのがイイ。お雪とのエピソードは、フィクションと分かっていてもウットリしてしまう。そして悲しくなってしまう。何しろ司馬センセは史実とフィクションの垣根が低くてお上手なんである。例えばトシさんが江戸で錆だらけの兼定を手に入れるエピソード。これもフィクションだろうが、あまりにもドラマティックで秀逸の出来だ。そして七里との死闘のシーン、これもトシさんがあまりに格好良くて溜息が出ちゃうくらい。全く司馬センセはストーリーテラーである。
 一般的に新選組の紹介で戊辰戦争についてはあまり深く語られないが、この本の最大の見せ場は近藤亡き後のトシさんの軍師ぶりである。粕壁を出てから五稜郭で悲劇的な死を遂げるまでが、彼の喧嘩師としての才能が遺憾なく発揮された時期だっただろう。下巻はそんな軍師としてのトシさんが堪能できる。戦争に否定的な方や興味のない女性などにはツラい部分かもしれないが、下巻こそが本書の山場である。お雪との恋愛も下巻からのスタートだしね。しかしこの本の最大の魅力は、タイトルだと私は思う。「燃えよ剣」なんてタイトルをつけちゃう司馬センセのセンスには感服。どんなに有能なコピーライターでもこんなキャッチは考えられないんじゃないだろか?トシさんへの愛をこめた、最大の賛辞なんでしょうね。やっぱり本書は新選組ファンにとっては必読、でしょう。
燃えよ剣 (上巻) 燃えよ剣 (上巻)
司馬 遼太郎 (1972/05)
新潮社
この商品の詳細を見る

燃えよ剣 (下巻) 燃えよ剣 (下巻)
司馬 遼太郎 (1972/06)
新潮社
この商品の詳細を見る
スポンサーサイト

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。