HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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コフィン・ダンサー/ジェフリー・ディーヴァー
『ボーン・コレクター』に続くリンカーン・ライムのシリーズ第二作。ライムの手足となって現場を捜索する美人婦警のアメリア・サックスも健在だ。今回は殺し屋の逮捕が目的とあって、前作とは違って凄惨な殺人事件はあまり発生しない。その代わり、殺し屋を罠にかけて逮捕しようとするライムとその裏の裏をかこうとするダンサーの壮絶な知的ゲームがてんこ盛りである。先の一手を殺し屋が読む事を見越してライム達が罠を仕掛ける…しかしその罠を殺し屋が見破って、今度は逆に殺し屋がライム達に罠を仕掛ける…騙し騙されの攻防戦。そこまでよく考えつくよ!というトリックのオンパレードである。作者の脳みそに心から感服したわ。
  今作も、キーワードになるのは“科学捜査”。現場からアメリカが採取してくる小さな砂やゴム片などから犯人の正体と彼の次なる手を先読みしようというのである。しかしそんな事も殺し屋は百も承知で、わざと現場に関係のない微粒品を置いてきたりするのである。そして殺し屋は見事な程に現場に痕跡を残さない。頭脳と頭脳の闘い、裏をかくのはどっちだ?というスリルがものすごいスピード感で描かれている。飽きないし、早く次が読みたいという焦燥感にかられる物語。ディーヴァーの真骨頂である。
 前作みたいな猟奇殺人は起きないので血みどろミステリを期待すると肩すかしを食らうが、知的ミステリ度は格段にアップしている。そして毎度のお楽しみでもある大どんでん返しも、お約束。今作も言葉を操るミステリだが、その仕掛けや文章の組み立てが非常に巧みだ。『アクロイド殺し』を初めて読んだ時のような爽快感が味わえるのではないだろうか?ターゲットの呼び方など、細かい描写に注意していればその仕掛けは割と分かりやすいのではないかと思うけれども。
  確かに面白いミステリではあった。でも何かが物足りない…と思ってしまうのは何故だろう。あまりにもお互いが騙し合ってばかりいるので、ちょっと疲れてしまったのかな。サスペンスとミステリが融合した作品なんだけど、どっちも中途半端な感じがする感じかな…。まぁサスペンスとミステリの違いをどう捉えるかによって違うのかもしれないけれど。ハラハラドキドキする殺人事件が多発するようなサスペンスではないし、純粋な謎解きミステリでもない。でも根底に流れるのは「コフィン・ダンサーとは誰か?」という問題なので私はミステリだと思っていたのだが、本の帯には「ジェットコースター・サスペンス」って書いてあったよ…。まぁそこがディーヴァー作品の醍醐味でもある訳なんだけど。知的ミステリって意味では、『悪魔の涙』の方が面白かったかな。でもライムシリーズはまだまだ続く。とりあえずは次作『エンプティー・チェア』に期待しよう。私としては、ライムとサックスがあんな風になっちゃってちょっと残念な気はしてるんだけどね…。
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