HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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ダーク/桐野夏生
 『顔に降りかかる雨』でデビューした村野ミロのシリーズ最新作。しかし最初の探偵小説のテイストは全くない。一言で言うとバイオレンス・ロードムービー的ラブストーリーって感じ?物語の舞台は東京、小樽、博多、ソウル、大阪、東京、そして再び大阪へと移って最後は那覇。その間にミロは殺人を犯し、詐欺を働き、拳銃を所持し、一人の愛する男のために身を堕としてゆく。まぁ何というか…犯罪のオンパレードだけど美学は全くない、そんな物語。ついつい読破してしまったけど、疲れたなぁ~。
 前述の『顔に…』でミロと恋愛関係になった成瀬は、殺人を犯して服役していた。彼を愛していたミロは出所を待っていたが、ふとしたきっかけで彼が獄中自殺した事を知る。しかもその事実を小樽に住む義父・善三は知っていたと知り、ミロは復讐のため義父を殺す事を決める。→まずこの辺の心理がさっぱり分からない…。しかもミロはこの義父と肉体関係があった事が前作『ローズガーデン』で明らかになっているのだ。ここまで来ると、ミロのエキセントリックな性格が鼻についてくるのよね…。
そしてミロの逃避行が始まる。後はミロと久恵のリベンジ合戦。女同士の闘いっていうのは男同士よりもえげつないよなぁ、久恵もどんどん下品になってゆくし。ただ一つだけ、この作品での救いはミロとジンホの愛情が本物だった事だ。半身不随になったジンホを心から愛するミロは立派で美しかったし、だからこそジンホが警察に捕まった時の悲しさは涙が出そうな程に感情移入してしまった。ここで物語が終わってもおかしくない程に、濃密な設定。でもまだまだお話は終わらないのである。
 レイプされて妊娠したミロは東京に戻って出産。子供の父親を殺してしまったために追われていたミロだが、子供と引き替えに見逃して欲しいと頼む。そしてミロは沖縄で新たな人生を送ろうと決意するのだが、いやはや大変なお話でしたね~って感じ。詰め込み過ぎで、中途半端な終わり方をしたエピソードもたくさんあった。例えば銃を売り渡した子はあの後どうなったのか…。あれっきり放ったらかしにするんだったら、銃のエピソードはいらなかったんじゃあ??と言った設定が結構多くて消化不良な気持ちになるんだよね。
 女同士のえげつなーい闘いとか復讐合戦が心地よいと思える人ならいいだろうけど、私は心底疲れてしまった。 一条ゆかりの『プライド』というマンガが好きな人ならOKかも?私はあの手の女同士のバトルは不愉快になるので好きじゃないんだけどね。何と言ってもイヤだったのは、ゲイの隣人・友部があそこまで堕ちてしまった事。シリーズ二作目くらいまでは、クールで柔らかい物腰でとっても気持ちの良い人だったのに…。お金っていうのは単なる単位でしかないのに、人の人生を変えるよね。ミロシリーズの結末が気になる人なら読んでもいいけど、これまでの流れを知らずに読むのは危険な作品。お薦め度は★★以下ってところかな。

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