HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
201704<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201706
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スローグッドバイ/石田衣良
『池袋ウェストゲートパーク』などの前衛的ミステリで定評のある石田先生が描いたラブストーリー。現代の若者の生き様を鮮やかに描いてきた先生らしく、そこにあるのはホントに普通の男女だけど恋愛の形は様々、という物語ばかりだ。恋をして、時間を共有して、それでも別れてしまう恋人たちの風景がリアルに描かれている。
 『泣かない』は恋人に振られた女友達と 、その悲しみを分かち合う男の子のお話。女が恋を捨てる時の苦しみと、男友達という微妙な関係の異性のありがたさが分かる物語だ。『十五分』は大学のゼミの女の子と恋をして別れるまでの一夏の物語を描く。若いときの恋愛ってこんな風に簡単に始まって、のめり込んで行ったらあっという間に別れてしまう。これが若い頃にありがちな恋愛ってヤツなんだなって思う。『You look good to me』はネットで知り合った女の子と徐々に心を通わせてゆく課程を描いた物語。コンプレックスの重さってヤツは本人にしか分からないからやっかいだ。それをこんな風に解釈してくれる男がいたら、楽かもね。『フリフリ』は、ふとしたきっかけから恋人同士のフリをする事になった二人の行く先を描いた切ないお話。異性としてより人間として魅力的でありたいと思っている女性に、ふさわしい結末。『真珠のコップ』は風俗嬢とその客の間で芽生えた恋物語。ありがちなパターンなのか…?風俗の世界は未知数なのでよく分かりませんでした。『夢のキャッチャー』はシナリオライターになる夢を叶えようとする女性とその恋人の物語。お互いにない部分を補いあってこそカップルは巧く行くと私は思っているのだが、自分にない才能に焼き餅を焼くっていう感情もあるのかな??
  『ローマンホリデー』はネットの掲示板で出逢った女性とデートをするまでのお話。ネットなんて所詮は虚構の世界。それをうまくロマンティックに仕上げた作品。『ハートレス』はセックスレスのカップルが気持ちをすれ違わせてゆく物語。釣った魚に餌をやらないとか、妻を女として見れないとか、女性にとっては結構切実な問題をリアルに取り上げた作品でドキドキする。『線のよろこび』は新しい才能に出逢った時の喜びから恋が生まれる瞬間までを描いたお話。男を引っかけるのってこんな簡単なものなのか??とも思うが、芸術家の感性というのはそういうものかもしれない。『スローグッドバイ』は別れてしまった彼女と“さよならデート”に出かけた一日のお話。こんな風にお互いを思いやりながら別れられたらいいと思うのかもしれないけど、私はこんな後を引きずりそうな別れ方はキライだな。
  ラブストーリーというのは誰もが身近に感じられるテーマである事から、感情移入しやすい人と実際はこんなんじゃない!と思ってしまう人がいるのだろうと思う。私は間違いなく後者だ。と言うか、身も蓋もないけれど他人の恋愛模様なんてあんまり興味がない。実際の話ならまだしも、それが創作の世界なら尚更だ。マンガだと恋愛物も大丈夫なんだけど、小説だとなんか違和感を感じるのは何故だろう??主人公の姿形を自分で想像して読む分だけ、思い入れが強くなってしまうのかな。その分リアリティに欠けると引いてしまう…そんな感じだろうか。これが長編だったら分からないけど、私は短編のラブストーリーはあんまり好きじゃない事に気づいちゃったかも。森博嗣の『まどろみ消去』に収録されている『やさしい恋人へ僕から』みたいな恋愛小説だったらまだ可愛くていいのだが…。現代の若者の恋愛模様を「ふーん」って思いながら読むんだったら、いいかもね。
スローグッドバイ スローグッドバイ
石田 衣良 (2005/05/20)
集英社
この商品の詳細を見る
スポンサーサイト

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。