HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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エンプティー・チェア/ジェフリー・ディーヴァー
久しぶりのリンカーン・ライムシリーズ第三作!相変わらずのどんでん返しスタイルのミステリ、いやぁ最後までワクワクしながら読めました。特にラストの構成は秀逸!えっライムが??と一瞬ドッキリする仕掛けだ。このシリーズがあと3作品も発表されている事を思えば、そんな訳ないんだけどね。いかにも視覚的な描写だったけど、これが映画だったらこのドッキリ感も半減なんだろうなぁ…と思うよ。
ライムの手術をするためにアメリカ南部の町、ノースカロライナ州にやってきたアメリアたち。そう、この作品の舞台はニューヨークじゃないのだ。そこで地元の保安官から、ある少女の誘拐事件の犯人捜しを手伝って欲しいと依頼されるライムとアメリア。保安官の兄と知り合いだった縁で依頼を引き受けた二人だったが、事件は大変な結末を迎える事になるのであった。
犯人と目される少年の追跡劇から留置場からの逃走劇、銃撃戦、最後は法廷劇へと物語は次々に形を変えながら進んでいく。それが無駄が無くて無理が無くて、本当に面白かった!前作『コフィン・ダンサー』よりも私はこっちの方が断然好きだな。今回は科学捜査よりも本格ミステリ的な要素が強くて、物語のあちこちにトリックとトラップが散りばめられていて気が抜けないのだ。お決まりのどんでん返しは最後の最後まで何度も何度も続くので、最後はちょっと食傷気味になった気もするけど(笑)。
でも最後のどんでん返しがなければ、あのラストの空気感は出せなかったと思う。小説の面白さってヤツがギュッと詰まったミステリ小説。黒幕の目指していたモノには全く美学がないので、そこがちょっと後味の悪いところなのだが、読んで損はない傑作でしょう。ちなみに題名の「エンプティー・チェア」とは精神療法の名前らしい。目の前に空っぽの椅子があって、そこに誰かを座らせる事をイメージさせて相手の気持ちを自分の言葉で話す事によって“気づく”事があるというものだ。何故これを題名にしたのか…それはライムとアメリアの関係を間接的に表現している言葉だからじゃないかなと私は思う。題名のセンスにも脱帽!

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