HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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ダーティホワイトボーイズ/スティーヴン・ハンター
『極大射程』に続くシリーズ二作目。という見解で読み始めたのだが、前作の主人公ボブは全然出てこなかった。物語の途中でボブのお父さんの話がチラッと出てきたので、これで一応“ボブ繋がり”になっているのだろう。でもこれをシリーズと呼ぶのはどうかと思うなぁ、まぁ外伝という扱いという事ならOKでしょう。
 前作とはガラッと違う舞台設定。物語の始まりは刑務所である。しかも主人公は罪悪感というものが欠如したラマーという白人男性。“ダーティホワイトボーイズ”は『どーしようもない白人のワル』ってな意味らしいが、まさにラマーにピッタリ!という言葉である。この人がねぇ…頭は切れるんだけど、下品なのよ。体つきもマッチョだし。つまりは私の好みじゃないって事なんだけど、その他の登場人物がうまくまとめてあるのでイヤがらずに読めた。前作でも思ったけど、この作家はホントに登場人物の設定が上手である。しかもヒーロータイプの主人公には小心者の従者がつく、というのがパターンのようだ。しかしこれが意外と功を奏して物語に味が出るのよ、今回のラストなんて痛快!って感じである。
 ラマーを追い続ける警察官のバドもまた様々な事情を抱えたややこしい人物だ。頭はいいけどひきこもりがちな長男と、ちょっぴり出来は悪いけど野球の腕だけは一流の次男、そして既に愛情を失ってしまった妻との暮らし。そんな家庭環境の彼は、同僚の若い妻との不倫に溺れている。積極的に彼を求める愛人との不倫生活を続けるために、彼は毎日せっせと嘘を重ねる。その様が痛々しくて滑稽でイライラするのよ、不倫するならもうちょっとさっぱりと出来ないもんかなぁ、なんて思う。奥さんには嘘をつくべきだけど、愛人に嘘ついちゃいけないよね。まあそういう不器用なところが、この物語にはピッタリなキャラクターなのかもしれないけれど。
 これまでのスティーヴン・ハンターものと同じく、これも追う者と追われる者との攻防がスリリングで楽しい作品である。あとがきにも書いてあるが、本書はこれまでの軍事アクション物とは趣が異なる作品。それでも相変わらず銃に関しては豊富な知識で、その魅力と存在感が生き生きと描かれている。でもねぇ…何度も言うけど主人公が好みじゃないってのは結構イタイんだよね…。あと訳し方も好みじゃなかったなぁ、スラングをそこまで汚い日本語にしなくてもいいんじゃあ?って感じ。まぁオデールが知的障害者っていう設定だったので、ちょっとファンタジー入っちゃったような言い回しもあるんだろうけどさ。次作の『ブラックライト』はホントにボブが登場するシリーズもの。でもこれが扶桑社だと、また同じ様な訳し方になっちゃうのかも。…新潮文庫から出てくれれば良かったのに…。なんて思ってしまうのは失礼かしら?

ダーティホワイトボーイズ ダーティホワイトボーイズ
スティーヴン ハンター (1997/02)
扶桑社
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