HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
201708<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201710
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
今夜はパラシュート博物館へ/森博嗣
ノベルス時代から犀川&萌絵シリーズを読んでいた方たちには久しぶりの二人って感じだろう。しかし私はそのシリーズは文庫でしか読んでいないので、ちょっと時間が前後してしまっている。前作『幻惑の死と使途』から本作までには読んでないシリーズが三作ほどあるのだ。『どちらかが魔女』を読む限りでは、二人の仲はかなりイイ感じになっているような気がする。私の知らない人物も登場していたし。知らぬ間に物語は進んでいるのね、シリーズは最初から順番に読まなきゃダメ、という言葉が胸にしみるね。
 その他のシリーズでもお馴染みの登場人物が出てくる短編は三つ。あとはファンタジィあり推理ものありアドベンチャーありの5作。特に推理ものの『ゲームの国』は設定がなかなか面白くて笑える。アナグラムだのキャスリングだの、いまいち意味のわからない言葉遊びの世界だ。犯人の動機などどうでもイイという森スピリットが生きるからこそ、デタラメな設定や終わり方も納得できるのだろうけど。
 でも『卒業文集』『恋之坂ナイトグライド』は、ラストでやっとその意味が分かるというまさに森ワールドな傑作。特に『恋之坂…』は、ラスト数行の種明かしに思わず「ほぅ」などと唸ってしまった。森作品のこういうちょっとした遊び心が好きなんだよね、単語一つ助詞一つで「実はね」って部分を表現してしまう巧みさ。物書きが文章でこれだけ遊べたら、さぞかし楽しくて気持ちイイんだろうなと思う。やっぱ生業としてる人の構成力って違うなぁ、こういう物語を書ける人には純粋に憧れてしまうわ。
 二日間の通勤時間内で読み切れるくらいのライトな仕上がり、日本語に騙される快感に浸れる一冊である。西之園が点対称、なんて考えた事もなかったよ。そう考えれば私の本名も全部点対称だな。言葉や文字をそんな風に考えるのってなかなか面白い。でも森作品の短編集だったら『まどろみ消去』の方が面白かったかな。ちょっぴり切なくて恋しくて愛おしい設定のショートストーリーって、読後感が長編とは明らかに違う。宮部みゆきの『返事はいらない』という短編集も傑作だよ、改めて読み返してみようかな。

今夜はパラシュート博物館へ 今夜はパラシュート博物館へ
森 博嗣 (2001/01)
講談社
この商品の詳細を見る
スポンサーサイト

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。