HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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今はもうない/森博嗣
シリーズ八作目、いよいよ萌絵&犀川ワールドも後半である。本の裏表紙に『シリーズナンバーワンに挙げる声も多い』と書いてあったので、かなり期待して読んだ。そして見事に森マジックにハマった。これは前作『今夜はパラシュート博物館へ』同様、日本語を遊んで楽しんだ作品である。ここのところ翻訳本が続いていたので、久々に日本語の気持ち良さを味わったな~って感じ。翻訳本と日本人作家の本って基本的に違う世界のものだと思っているんだけど、それをしみじみと感じさせられる作家は意外と少ないんだよね。
 しかしそういう本だけに、話の内容を語るとネタばれになってしまう。事件の内容はこうだ。三階建ての豪華な洋館で発見された二人の死体。映写室と娯楽室という隣り合った部屋は、内側からしか鍵がかけられない仕組みになっていた。死体はそれぞれの部屋に一体づつ。完全な密室、しかも彼女たちの首には絞められた痕があったのだった…。という奇怪な事件に挑んだ西之園嬢。電話も通じない嵐の山荘に閉じこめられた9人。この中に犯人はいるのだろうか?
 事件解決までの道のりに交えて、西之園嬢と笹木のラブロマンスも描かれている。この辺りが「森作品は恋愛小説だ」と言われる由縁なのかもね。そしてラストで明かされる意外な事実。まぁ気をつけて読んでいれば、最後のどんでん返しも何となく察知できるかもしれない。私も何か違うぞ、何か怪しいぞという感覚はピリピリきてたんだけど、やっぱりネタ明かしされた時は素直にヤラレタ!って思った。そこが森作品の面白いところなんだよね。
 今はもうない、というタイトルが胸にしみる作品。実は私はこのフレーズが結構好きで、これまでもエッセイなどでたまに使っていたのだ。今はもうない、虚無感と懐かしさを漂わせるような不思議な響きを持つ言葉だ。今はもうないけれど、あの時は確かに身体で感じていた感覚や気持ち。今はもうないと思い返せる程、ずっと心に残っていた思い出。失ってしまったものを思い返す時に使う言葉、それはやっぱりどこか切ないものがあるでしょ。不変のものなんてこの世にはない。だからこそその時その時を大事にしたいと私は思うな。

今はもうない―SWITCH BACK 今はもうない―SWITCH BACK
森 博嗣 (2001/03)
講談社
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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

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