HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
201710<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201712
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
日輪の遺産/浅田次郎
浅田次郎を読んだ人から必ず薦められたのが本作。どんだけ面白いんだ!と期待しながら読んだのだが…うーん、何となく不完全燃焼な出来映え。浅田次郎流・物語の進め方が分かってしまったせいもあるんだろうが、サプライズはあまりなかったなぁ。敢えて言うなら、元日銀マンの行く末くらいだろうか。ネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが。
第二次世界大戦中、帝国陸軍がマッカーサーより奪った時価二百兆円の財宝。それは一体どこに隠されているのか…。戦後50年経って、その財宝の在処を示す老人の手帳を手にした二人の男。二人は財宝を手にする事ができるのか?
という物語だが、この二人の男がまた魅力がなくてねぇ…。『シェエラザード』の時もそうだったんだけど、“小心者”なのに“虚勢を張る”性格で、変に世渡りが巧くて、でも大勢には弱いタイプ。あ~好みじゃない!ラストの構成は、何となく『シェエラザード』に似ているかな。みなまで言わないのが美学、みたいな感じ。その美学はとても良く分かるんだけど…「ここまで一生懸命読んだのに結論はそれかよ!」みたいなちょっとした不満が残る。しかも明らかになる事実はかなり重い。後味が悪い作品である事は間違いないだろう。
何かしっくり来ないんだよね、という感じがずっと続くので何でだろう?と思ったのだが、それは地主の男とその妻の性格のせいなんだろうと思う。その正体はすぐに分かると思うが、あんな体験をしていながらその図々しい性格は何??みたいな…。浅田次郎的・賢い女性っていう設定はいつも同じような性格だなぁ。まぁそれが作風ってヤツなんだろうけど。
全員が薦める程いいとは思えなかったが、次が読みたくて夢中になってしまう面白さは充分名作の域だろう。でも切なさよりは虚しさが残る設定。私達の現在の繁栄は、そういうものの上に成り立つのかもしれないと考えさせられる一作。そういう国を思う気持ちっていうのもどんどん失われている昨今、将来の事や過去の悲劇もなーんも考えてない若者に是非とも読んで欲しいと思う作品だ。

日輪の遺産 日輪の遺産
浅田 次郎 (1997/07)
講談社
この商品の詳細を見る
スポンサーサイト

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。