HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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邪魅の雫/京極夏彦
お待たせしました、京極夏彦の最新作。前作の出来がイマイチだったので多少心配していたのだが…今回は面白いよ!全817ページの大作も一週間で読破。私の大好きなエノさんの恋愛事情も垣間見る事ができて、ファンも納得の一冊だ。
東京の江戸川で起きたサラリーマン殺人事件。その事件現場近くで目撃されていた香具師の男は、殺された男の恋人らしき女の写真を持ち歩いていた。その後、大磯で女子学生の死体が発見される。その被害者と香具師の男が平塚で目撃されている事が分かり、事件は一気に連続殺人事件へと発展する。エノさんの縁談が悉く破談になる理由を探っていた益田、戦時中に特殊な毒薬を研究していた人物と知己であった中禅寺、真犯人の意図に気づき始めていた榎木津。それらが全て一つに繋がった時、待っていたのは悲しい結末だった…という物語だ。
舞台は大磯と平塚。二箇所を移動しながら連続殺人事件が起こるのだが、物語を語る登場人物の一人がかなり愚鈍な人間なので、その言葉をまともに聞いていると段々分からなくなってくる。でも事件の重要人物の正体は、割とすぐに分かるんじゃないかな。それを理解しながら読むと流れも解りやすいだろう。
「邪なことをするとー死ぬよ」というエノさんの名ゼリフが切ない殺人事件。いわないで。その言葉が悲しくて胸につきささる。ちょっと人が死に過ぎな感はあるが、プロットが楽しめる名作だと思う。エノさんの新たな一面も感じられる一作。何度でも読み返したいと思えるシリーズ作は久しぶりだな、是非とももう一度頭からゆっくり読んでみようっと。


邪魅の雫 邪魅の雫
京極 夏彦 (2006/09/27)
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