HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
201710<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201712
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
鎮魂歌-不夜城2/馳星周
数年前にハードカバーで読んだ『不夜城』の続編の文庫本版。登場人物のほとんどは中国人や台湾人なので、名前が中国読みである。それが覚えられなくて苦労した。本を読んでいる時、漢字の読みにひっかかると一瞬頭が止まっちゃうんだよね。また登場人物がめちゃくちゃ多くて、誰が北京の人だか上海の人だか分からなくなっちゃったりもする。何しろマフィア以外にも金貸しやら人戦やら日本のやくざやらを巻き込んでの大騒動である。これは絶対に前作を読んでおく事をお薦めする。
 前作ほどの感動はなかったが、大好きな馳先生の作品だ。スピード感のある文体、細部まで練りこまれた仕掛け、印象的な健一のモノローグ。全てが好みで、あっという間に読んだ。人を信じる気持ち、人を愛する気持ち、人に騙される気持ち、人を裏切る気持ち。裏社会で生きる男達の鮮烈な生き様を堪能できる、切ない物語である。
 抗争の舞台は歌舞伎町。言わずと知れた繁華街、私も年に数回は利用している。滝沢が人戦メンバーと待ち合わせたのは落合下水処理場。高田馬場にあるテニススクールに行くのに使っている裏道は、まさにこの下水処理場の脇を通る。クライマックスでの銃撃戦の舞台は、花園神社。ここは酉の市に何度か遊びに行ったし、前の会社のすぐ近くであった。知ってる場所ばっかりで凄惨な事件が起こるので、臨場感もバツグン。堅気とは言え、歌舞伎町を歩くのはやっぱり怖いよぅ。そして極道の女がどのような目に合うかも、知れば知る程怖ろしい。もちろんこれはノンフィクションだって事は分かってるんだけど。それくらいリアルな描写って事なのよ。
 前作で自分の彼女をその手で殺さなければならなかった健一がどのような図を書いたか。真実が分かった時、その緻密さに思わず鳥肌が立ったくらいだ。そこまで人を駆り立てる感情とは何だろうと考えさせられる。憎悪と愛情、これはホントに背中合わせなんだな、なんて事も。報われない想いや愛する人を守りたいと思う気持ちが殺人へと駆り立てる。そして保身、金への執着がその身を滅ぼしてゆく。他人を呪わば穴二つってヤツね、ウソも方便なんてキレイ事も言ってられないような世界をフィクションでどっぷり楽しめる作品。成功を手に入れた男が相変わらず深い闇の中にいるというモノローグが、何とも切ない読後感だ。
鎮魂歌(レクイエム)―不夜城〈2〉 鎮魂歌(レクイエム)―不夜城〈2〉
馳 星周 (2000/10)
角川書店
この商品の詳細を見る
スポンサーサイト

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。