HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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漂流街/馳星周
何となく買い逃していた馳先生の作品。徳間書店から発行されるってのが何となく違和感だ。しかし物語は相変わらずの馳ワールド。セックス、暴力、嘘、裏切りの連続、ラストも期待通りだ。しかし今回は悪人たちの心をつかむ天使が登場する。それは盲目の少女カーラ。彼女の美しい歌声に、外国人も日本人も皆メロメロになってしまう。これは今までになかったパターンだ。そして今までになかっただけに、これもちょっぴり違和感かな。
 この作品のキーパーソンはカーラとケイだ。カーラは前述の通り、歌を歌う盲目の少女。ケイは、馳ワールドではお馴染みのタイプの悪女。欲望のためには身体を売る事も惜しまない、激しくて強い女性である。そしてマーリオはその二人に執着する。これも馳作品のお約束。報われない想いに切なさが溢れ出る作品である。
 そして相変わらず馳作品の主人公はタフである。裏社会に暗躍するさまざまな団体に追われて傷つけられて脅されて、それでもへこたれずに命を張るのだ。まずはヤクを関西のヤクザに売りさばこうという中国マフィア。その取引現場でマーリオは金とヤクを奪い、中国マフィアから追われる身に。次は店長の借金絡みでマーリオにつきまとう東京のヤクザ。彼らは金とヤクを奪ったのはマーリオだと気づき、カーラをさらって横取りを企む。彼らに対抗するため、マーリオはブラジル人のグループを使ってカーラを救出する作戦を立てるのだ。そこに絡んでくる福建の中国マフィアにペルー人、まさに東京を舞台にした国際紛争って感じ。殺人と嘘を繰り返すマーリオ、よくそこまで頭が回るもんだと感心するわ。やっぱ悪事はバカには出来ないね。
 馳作品を読んでていつも思うのが、「主人公は記憶力がめちゃくちゃイイ」という事である。主人公はどんな場でも、住所や電話番号を一目見ただけで記憶してしまう。そしてそれをいつでも引き出す事ができる。昔の友人の電話番号も然りだ。彼に携帯のメモリなんて必要ないんじゃないの?記憶力がイイ人って、何かカッコ良く見えるものだ。でも頭が良い人が激情型っていうのは困りものである。もちろんそういうタイプが主人公じゃなきゃ、馳ワールドは成り立たないんだけどね。自分の欲望のために人を殺すのも厭わない人種も世の中にはいるのだ。痴漢撃退などの行為もほどほどにしとかないとね。
漂流街 漂流街
馳 星周 (2000/09)
徳間書店
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