HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
200512<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>200602
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
模倣犯/宮部みゆき
中居正広主演で映画化された宮部みゆきの代表作。いや~「長い!ひたすら長い!」の一言だった…。映画の評判はさておき小説の評判は良いようだが、私の評価はあまり高くない。言いたい事いっぱい!読了した人と語り合いたい事いっぱい!特にこの作品を評価している人の意見を聞きたいなぁ…。「どこが良かったの??」
 1巻は第一部として女性の右腕が発見される事から事件が発覚し、犯人がメディアを使ってアピールを始めてから事故で死亡するまでを時系列で描く。2巻と3巻は第二部、犯人である栗橋浩美の人生を紹介しながらピースとの関わり方や事件の詳細を公開し、死の直前までの様子を描いた。4巻と5巻は第三部で、ピースが表舞台へ登場して事件が終結するまでを描いている。つまり読者には犯人が栗橋とピースである事を第二部から明かしていて、警察や世間の目が見当違いの所に向かっているのを傍観するような形で物語は進んでいくのだ。何で栗橋は事故を起こしたのか?いつ警察はピースに辿り着くのか?等々、先を知りたい一心で先へ先へと読み進んで行ったが、無駄なエピソードが多すぎる…!登場人物の無駄な妄想シーンやどう考えても不必要と思われるキャラクターに関するエピソードをごっそり削って、3巻くらいに収めた方が良かったんじゃないかしらん。
 まず私には塚田真一というキャラクターの必要性が全く分からなかった。宮部作品には高校生の男の子がよく出てくるのだが、そのショタコンぶりにも心底うんざり。事件に直接は関係のない、人間的に未熟なティーンエイジャーが悩んで経験して成長して…なんてエピソード、はっきり言ってミステリには邪魔なだけなんですけど。少年と老人という泣き所を押さえたキャラ配置で好感度を狙ったのかも知れないけど、あざとさを感じる。その他、前原滋子や高井由美子など、登場する女性キャラがどれも好みじゃなかったので感情移入できず。女性キャラ、特に前原滋子の言葉遣いが下品で気分が悪い。「スベタ」「アホンダラ」「ゲロする」「クソったれ」…死語でしょ。そんでもってどういう育ちの女性がこんな言葉を遣うのか、理解と想像に苦しむな。
 とは言え、物語の構成はとても巧い。次から次へと“知りたいこと”が出てくるので、長編ながら飽きる事はない。但しあまりに同じような描写がしつこく続くので“ななめ読み”する場面もしばしば。誰々がこんな事考えてますよ、という個人の妄想をアツく長く語られてもねぇ…。連載だったせいか、部分部分でスピード感が違うのが気持ち悪い感じだ。あと登場人物の精神が次々に崩壊して自滅してしまうのも考えものである。そんなにすぐ人は狂ってしまうものなのだろうか?実際、身内が殺人事件に関わったら仕方がない事なのかもしれないが、「精神に異常を来していたので」という理由は免罪符にはならない。リアリティに欠ける気がする。そう、この物語の中で起こる事件の手口は実にリアルでありながらも、登場人物達が紡ぎ出す物語にはどれもリアリティがない。そんな印象だ。事件が残虐であればあるほど、「何故そんな事をしたのか」という犯人達のリアリティは遠ざかってゆく。それはやはり、彼らの動機が良く分からなかったからなんだろうな。唯一、栗橋の気持ちが良く理解できるのが三巻の終わり。高井和明とのやり取りはリアルで、とても悲しい。その分だけ、ピースの陽炎みたいな嘘くさい人物像だけが後味悪く残る物語だ。残酷な事件描写と自分の事しか考えない登場人物たち、被害者の絶望や遺族達の悲しみ。どこを切り取っても陰鬱で気分の悪いエピソードばかりだ。ミステリにつきものの“ラストの爽快さ”も、そこまでの過程がご都合過ぎてポカーンって感じだった。ま、読むというなら反対はしないけど、どうしようか悩んでいるなら読まなくてもいいんじゃない?私だったらそんなアドバイスをするでしょう。ただタイトルの意味だけは、秀逸!と思ったけどね。
模倣犯1 模倣犯1
宮部 みゆき (2005/11/26)
新潮社
この商品の詳細を見る

スポンサーサイト

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。