HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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青い虚空/ジェフリー・ディーヴァー
何故だか全然チェックしてなかったディーヴァーの文庫。『ボーン・コレクター』の作品紹介で既に発売されている事を知り、ちょっと悩んだのだがとりあえず読んでみる事に。何故悩んだかと言うと、ノーチェックだったって事は無名だって事で、つまりは駄作かもしれないという危惧があったから。ディーヴァーには『監禁』を読んでからというもの“無名な作品はヤバイの法則”っていうのを適用しているのでね。
 この作品が発表されたのは2001年だが、今だからこそ解るレベルの専門用語がビッシリ!いやもちろん明らかに解らない言葉もたくさん出てくるが、さりげなーく本文中で説明されてるし巻頭に用語解説もあるので安心だ。そうは言っても、インターネットの世界を全く知らない人にはチンプンカンプンの世界でしょうな。ある程度パソコンの知識がある人限定の物語である。
 相変わらず怪しい人がたくさん出てきて、ターゲットがコロコロ変わる設定。それにいちいち振り回されていると、今起こっている問題の根本が解らなくなってくるので要注意だ。ジレットは被害者のパソコンを隅から隅まで調べて、そのパソコンにクラックしてきた犯人の痕跡を捜す。犯人は全ての痕跡を消すためのプログラムを用意している。パソコンにクラックしては身分証などを偽造し、新たなルートを奪って警察を混乱させている間に違う犯罪を犯す…ジレットはその裏をかいて犯人のルートを探る…。まさにハッカー同士のデッドヒートが640ページにも渡って描かれているのだ。いやマジで、脳みそフル回転で疲れましたわ。
 最初は被害者のパソコンにクラックするくらいですんでいた犯人の所業も、しまいにはペンタゴンの指令までも書き換えてしまう程にエスカレート。いやぁここまで行っちゃうと…恐ろしくて気軽にインターネットなんて出来ませんよホント。そのテの人にとっては他人のクレジットカードの番号を盗むなんて、バカみたいに簡単な事なのだ。ネット通販を楽しんでいる私にとっては恐怖の物語。ノートン先生のファイアウォールは万全かしら?やっぱワイヤレスは危ないかしら?知ってる人から来る添付ファイルにウィルスが潜んでいる事だってある世の中、ネットライフは危険と隣り合わせだという事を再認識させられた。最後にじんとするハートウォーミグな設定も用意されているが、そんな事よりも自分の生活に忍び寄る恐怖の方が印象深い物語だった。作品的には…標準以下って感じかな。UNIX使いのディーヴァーファン以外は読まなくてもいい作品かもね。
青い虚空 青い虚空
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壬生義士伝/浅田次郎
私はこれまで新撰組には全く興味がなかった。何やってた人達なのかも全く知らなかった。だからこの本を読み始めた時は結構ちんぷんかんぷんだったのだ。世界史専攻の私としては、幕末の出来事なんて「大政奉還」くらいしか覚えてなかったのでねぇ。
 その辺の情勢を歴史に詳しい父と新撰組に詳しいS編集長に聞いて、知識を補いながら読んだ。すると一気に吉村の置かれていた状況が理解できて、その非業の生涯に対する感情移入度も倍増である。幕末の歴史に詳しくない方は、ちびっと知識を入れてから読むと良い。何しろ私は戊辰戦争も忘れてたくらいだったからねぇ。それを知らずに読んだら、吉村の子が何故あんな目に遭うのか全く理解できなかった事でしょう。
 親子愛、家族愛、友情という、誰もが心の奥に大事にしまっている宝を言葉にされる時の切なさに溢れた物語。それが「そこまで言わないでいいから!それ言われたら泣いちゃうから!」と突っ込みたくなる程、ストレートであざとい表現なのだ。これぞ浅田節、と私は思うが、ありきたりのお涙頂戴モノと言われればそうかもね。こういう救いようのない悲しみによる涙がイヤだという気持ちは分からなくもないし。
 オープニング以降の物語は、吉村の独白と関係者の語りによって構成されている。この造りが絶妙で面白い。物事というのは、見る人によって全く解釈の異なるものなのだなぁと改めて考えさせられる造り。そして吉村に関わった人たちが語るからこそ、その物語がよりリアルになるのだ。何しろ50ページに一回は思わず涙が出てしまうようなエピソードが語られるので、電車の中で読むのは大変だったよ。侍とは何て悲しい生き物なのでしょうか。そんな遣りきれない矛盾を感じながらも、もう少し新撰組について勉強したいなぁとしみじみ思ったのであった。全然関係ないけど、この作品に出てくる沖田総司はセリフ回しがエノさんにそっくりでカッコ良かったなぁ~。肺病で亡くなるあたりも耽美な感じ♪来年の大河ドラマは絶対観よう!
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ボーン・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー
待ちに待った『ボーン・コレクター』の文庫化!映画を観た時から是非とも原作を読みたいと思っていたのだ。しかしあれから2年以上…すっかり内容を忘れていました。もちろん犯人は誰かもすっかり。まぁお陰で新鮮な気持ちで読めたけど。相変わらず違う人を犯人だと思いこんでいたりしたけどもね。
 上下巻を一気に読めるジェットコースター・サスペンス。やっぱりディーヴァーは面白い!その捜査方法はパトリシア・コーンウェルの「検屍官シリーズ」なんかよりもめちゃくちゃ専門的で、知的好奇心が刺激されるぞ。しかしライムは科学捜査の専門家、元々持ってる知識の量が異常なのだ。そんな人フツーはいないだろうし、逆にそんな捜査方法をフツーと思われても困る。そこら辺を“いかにもフィクションな”お楽しみと思えれば良いのでは。
 映画を観た時は「なんでこれがR指定?」と思ったのだが、原作は確かにR指定かも。あまりに残虐な殺害の手口に、思わず寒気が走ったシーンもあったりして。生きながらにして埋められるとか生きながらにして蒸し焼きにされるとか生きながらにしてネズミに囓られるとか…。いやー自分が死ぬ時はポックリ逝きたいもんだと心から思わずにはおれないよ。
 最近のあとがきは本文よりも先に読む読者がいる事を考慮してネタバレしないように書くのが当たり前になっているが、この本のあとがきは要注意である。シリーズ第二作の『コフィン・ダンサー』に引き続き登場する人物名を挙げてしまっているのだ。て事は彼らは今作の犯人じゃないって事だね…。その中に一人怪しいと思っていた人物がいたのだが…。ま、映画を先に観ていて犯人を覚えていればどうでもいい話なんだけどね。映画版は登場人物が多少少なかったような気がするのだが、そこら辺の記憶も定かではない。ラストもちょっと違ったような気もするのだが、覚えてない。小説のラストはちょっとした仕掛けがあって、なかなか面白かったのだ。今回ばっかりは、自分の記憶力の無さにほとほとウンザリしましたよ。やっぱりもう一度映画を観て、この楽しい物語を映像で確認しよう。めちゃくちゃ美人だという設定のアメリアをアンジェリーナ・ジョリーが演じているのもイイ感じだしね。しかし『CINEMASCAPE』の映画批評は散々だったな、そんな駄作だったっけ??…めげずにDVDを借りてきますよ。ふー。
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