HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
200304<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>200306
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
QED―百人一首の呪/高田崇史
全くノーチェックだった高田崇史のQEDシリーズ。文庫の最新刊を本屋で見たらちょっと面白そうだったのでシリーズ一作目を読んでみる事にした…という完璧な衝動買い。その結果は如何に!?
 まず主人公が薬剤師、という設定に驚く。薬剤師がどうやって事件に絡んでいくのだろうか?しかしその問題は、刑事の叔父がいるジャーナリストの友人の存在であっさりクリア。むむ、何となくご都合主義の予感…と思ったら今度は登場人物の設定にビックリ。博学で変わり者の主人公、無骨でラグビー体型のジャーナリスト、頭の回転の良い女性薬剤師、その同僚で独自の理論を貫く変人薬剤師…。こ、これはまるで京極作品のようではないか!
 もちろん主人公=京極堂、ジャーナリスト=木場、女薬剤師=敦子、同僚の薬剤師=エノさんである。セリフ回しから性格付けまでソックリ。同じ講談社文庫だからまだ許せるとしても、こんなんで良いのだろうか…?そして事件の結末も、まるで『凶骨の夢』。しかもそれが『凶骨…』ほど納得できる内容じゃなかったので、結論を聞いても何かしっくり来ないのだ。そういう症状の関係者がいてもイイだろう。でもそれを該当者が最後まで警察に言わないってのはどうなの!?だってそれは事件の肝になる証言なんだよ!?ああ~何か気持ち悪い!
 藤原定家が編纂したという百人一首と百人秀歌の配列をあのように定義し、その謎を解明した努力は認める。めちゃくちゃ感心する。でもやっぱりそれを殺人事件に絡めるのには無理があったようで。だって膨大なページを割いて解明した配列の謎も、実際の事件にはあんまり関係なかったじゃん…。百人一首にはちょっぴり詳しくなりました。でも楽しい推理小説を読んだ気にはなれませんでした。そんな作品。本編には全然関係ないけど、解説を西澤保彦が書いてるのもイヤ~!私は彼の作品を読み終わった時、生まれて初めて金返せ!と思った程合わなかったのだ。そんな彼に一生懸命薦められてもねぇ…。ま、雑学の一つとして百人一首の配列について知りたい人には分かりやすくて良いのではないでしょうか?そんな知識、飲み屋でひけらかしても周りに引かれるだけだけどね!
QED―百人一首の呪 QED―百人一首の呪
高田 崇史 (2002/10)
講談社
この商品の詳細を見る
スポンサーサイト

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

ドリームキャッチャー/スティーヴン・キング
映画の予告編を観た限りでは「恐ろしいウィルスの話」だと思っていた。1巻を読み終わった時も、そう思っていた。話がヤバい方向に進んでいったのは、2巻の終盤から。むむ、これは私の苦手な宇宙人モノなのでは?と気づいた時はもう遅かった…。すっかり物語にハマってしまっていたのだ。
 不思議な自然現象、二手に分かれた四人組を襲う異常事態、不気味な怪物、特殊作戦部隊の出動、人間の身体に生える赤い黴、四人組の少年時代の思い出に共通する旧友ダディッツの存在…。それぞれの「?」の行方が気になって気になって。確かに恐ろしい話なのだが、純粋なホラー小説とは違う巧妙な物語。悲しい中にも希望と感動が混ざり合う、不思議な読後感を残す作品だ。
 とは言え、基本は異星人の侵略物語である。ミスター・グレイと呼ばれる異星人がジョーンジーの身体に取り憑き、種を残すための旅に出る。身体を乗っ取られたジョーンジーは精神世界で異星人と戦う。閉じこめられたジョーンジーと精神世界でコンタクトを取りながら異星人の陰謀を止めようとするヘンリー。その犠牲になる幼なじみのピートとビーヴァー、より強いテレパシーの力でヘンリーの手助けをするダディッツ。こう書くと結構デタラメな話である。何かを暗示するようなエピソードや精神世界での記述が多いので、その世界に入り込んで読まないと結構きつい。“キング好き好きフィルター”がかかってない人にはツライかもしれないね。
 しかし逆にキングファンには「これぞキング!」という設定が嬉しい作品である。ジョーンジーは交通事故で瀕死の重傷を負うが、これは実際にキング本人が体験した出来事。舞台となるメイン州デリーはキング作品の『IT』と同じ。少年時代の特異な体験が成人後にも影響するというモチーフは『IT』や『スタンド・バイ・ミー』を、特殊な能力を持つ愛すべき友人というモチーフは『グリーン・マイル』を連想させる。クソ鼬と呼ばれる怪物が出てくるのも、いかにもキング。しかしこの作品は、これまで以上の悲劇を孕みながらも感動を呼ぶ傑作である。子を思う母の気持ち、友人を愛する気持ち、人を信頼する気持ち。そんな純粋な気持ちの象徴がダウン症のダディッツなのである。『ローズ・マダー』や『暗黒の塔シリーズ』を読む時のように、イマジネーションを駆使して読まなければならない物語。それでも最後に訪れる何とも言えない読後感は『刑務所のリタ・ヘイワース』のようでもあり、私は結構好きな作品である。“キング好き好きフィルター”のかかってない人は3巻がツラいと思うが、それを乗り越えた先にある感動を是非とも体験していただければと思う。
 ところでこの作品の終盤に使われるハンビーという軍用車は、今回のイラク襲撃でも活躍した四輪駆動車で今日本では大層人気があるのだとか。新聞などでの記述はハムビーとなっているが、これは私の大好きなハマーとは違う車両なのか…?軍用車にイマイチ詳しくない私に残った、小さな謎である。
ドリームキャッチャー〈1〉 ドリームキャッチャー〈1〉
スティーヴン キング (2003/01)
新潮社
この商品の詳細を見る

ドリームキャッチャー〈2〉 ドリームキャッチャー〈2〉
スティーヴン キング (2003/01)
新潮社
この商品の詳細を見る

ドリームキャッチャー〈3〉 ドリームキャッチャー〈3〉
スティーヴン キング (2003/02)
新潮社
この商品の詳細を見る

ドリームキャッチャー〈4〉 ドリームキャッチャー〈4〉
スティーヴン キング (2003/02)
新潮社
この商品の詳細を見る

テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

copyright © 2004-2005 Powered By FC2ブログ allrights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。