HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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ダ・ヴィンチ・コード/ダン・ブラウン
2005年の大ベストセラーで5月に映画公開を控える大作であるが、ハッキリ言ってキリスト教の知識がないとかなりツラい作品ではないかと思う。私は小学生の頃から地元の教会に通い、高校から短大まで5年間ミッション系の学校でキリスト教を学んだ経験があるので理解度は深かったと思うが、それでもちょっとついて行けない部分もあったもんね。マグダラのマリアの存在、イエス・キリストの設定や教会の仕組み、十字軍遠征の意味などが分からないと、「なんでそんな一生懸命になってんの??」ってな感じで、主人公達の奮闘がピンと来ないんじゃないかなぁ。
 要するに、キリストの聖杯を巡る謎解きなんだけど。一般的に聖杯と言えば「最後の晩餐の時にキリストが飲んだワイングラス」の事だと思っていたが、本書で定義する聖杯は全然違う。何故それを聖杯と呼んで皆が追い求めているか、というのが本書のポイント。しかしそれを理解するにはキリスト教の歴史についての知識が必要だ。まぁそれも素人であるソフィに説明する、という形でさりげなく読者にも教えてくれるんだけど、ヨーロッパの歴史やキリスト教に興味ない人にはキツいだろうなぁ。殺人事件と暗号解読をうまく絡めたサスペンスとして、とても面白かったと私は思うけど。
 ただミステリとしての出来はどうかと言うと、黒幕の正体は割と容易に想像できるし結末も想像通りだ。それでも次から次へと投げかけられる暗号を解読するのが楽しくて、先が知りたくなってしまう。ただアナグラムなどの文字入れ替えタイプの暗号が多いので、英文の並び替えが難しくて自ら解く気にはなれず…。何となく事件が進んでいくのを他人事のように感じてしまったのは、そこら辺のとっつきにくさもあったのかも。後は中盤に入ってからの展開がちょっとダルかったのも原因の一つかな。
 ダ・ヴィンチの名画をモチーフにした謎解きならイメージしやすいので分かりやすいが、教会の建物自体を扱った謎解きは想像が出来なくて難しかった。“祭壇がない教会”とか言われても…見たことないから想像出来ません★そんな私たちの足りない知識を補うように、文庫本には文中に出てくる建物や名画の写真が掲載されている。それでもこれはやっぱり映画で見た方が分かりやすいかも…。
 唯一想定外だったのは、オプス・デイのメンバー達の末路。彼らは異常な宗教団体だと思っていたけど、実はそんなに悪いヤツじゃなかったのが救いだ。しかし何と言っても衝撃的だったのは、私がずっと読んできた聖書が異教の皇帝によって編纂された物語だったって事かな。だからと言って私は「へ~そういう考え方もあるかも」位にしか思わなかったけど、キリスト教の熱心な信者にとってはショックだろうなぁ…。物語に登場する団体はどれも実在するらしく、角川書店のHPに詳しく紹介されている。映画のHPにはアナグラムのゲームなども用意されていて面白い。ただネタバレになる情報もあるので、読了後に見る事をお薦めします。
ダ・ヴィンチ・コード(上) ダ・ヴィンチ・コード(上)
ダン・ブラウン (2006/03/10)
角川書店
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ダ・ヴィンチ・コード(中) ダ・ヴィンチ・コード(中)
ダン・ブラウン (2006/03/10)
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ダ・ヴィンチ・コード(下) ダ・ヴィンチ・コード(下)
ダン・ブラウン (2006/03/10)
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QED―百人一首の呪/高田崇史
全くノーチェックだった高田崇史のQEDシリーズ。文庫の最新刊を本屋で見たらちょっと面白そうだったのでシリーズ一作目を読んでみる事にした…という完璧な衝動買い。その結果は如何に!?
 まず主人公が薬剤師、という設定に驚く。薬剤師がどうやって事件に絡んでいくのだろうか?しかしその問題は、刑事の叔父がいるジャーナリストの友人の存在であっさりクリア。むむ、何となくご都合主義の予感…と思ったら今度は登場人物の設定にビックリ。博学で変わり者の主人公、無骨でラグビー体型のジャーナリスト、頭の回転の良い女性薬剤師、その同僚で独自の理論を貫く変人薬剤師…。こ、これはまるで京極作品のようではないか!
 もちろん主人公=京極堂、ジャーナリスト=木場、女薬剤師=敦子、同僚の薬剤師=エノさんである。セリフ回しから性格付けまでソックリ。同じ講談社文庫だからまだ許せるとしても、こんなんで良いのだろうか…?そして事件の結末も、まるで『凶骨の夢』。しかもそれが『凶骨…』ほど納得できる内容じゃなかったので、結論を聞いても何かしっくり来ないのだ。そういう症状の関係者がいてもイイだろう。でもそれを該当者が最後まで警察に言わないってのはどうなの!?だってそれは事件の肝になる証言なんだよ!?ああ~何か気持ち悪い!
 藤原定家が編纂したという百人一首と百人秀歌の配列をあのように定義し、その謎を解明した努力は認める。めちゃくちゃ感心する。でもやっぱりそれを殺人事件に絡めるのには無理があったようで。だって膨大なページを割いて解明した配列の謎も、実際の事件にはあんまり関係なかったじゃん…。百人一首にはちょっぴり詳しくなりました。でも楽しい推理小説を読んだ気にはなれませんでした。そんな作品。本編には全然関係ないけど、解説を西澤保彦が書いてるのもイヤ~!私は彼の作品を読み終わった時、生まれて初めて金返せ!と思った程合わなかったのだ。そんな彼に一生懸命薦められてもねぇ…。ま、雑学の一つとして百人一首の配列について知りたい人には分かりやすくて良いのではないでしょうか?そんな知識、飲み屋でひけらかしても周りに引かれるだけだけどね!
QED―百人一首の呪 QED―百人一首の呪
高田 崇史 (2002/10)
講談社
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猟犬クラブ/ピーター・ラヴゼイ
シリーズ四作目というのは、あとがきで初めて知った。何の知識もなく、ただ何となくタイトルとカバーのあらすじに惹かれて衝動買いした一冊だったのだ。あとがきによると、本書はシリーズの中でも異色の一冊らしい。パロディ満載でライトな仕上がりらしいが、ミステリの名作を絡めたジョークはなかなか楽しかった。何と言ってもキーワードは「ミステリ愛好家の集い」だからね。
 猟犬クラブのメンバーは皆個性的で面白い。しかも全員ミステリの好みが違う。作品について語り合うシーンはクリスティやディクソン・カーなどの古典ミステリからエルロイなどのノワール系までのオンパレードで、ミステリの名作を読んだ事のある人ならくすりとするシーンが満載だ。『薔薇の名前』オタクっていうのも、いかにも海外~って感じ。小坊主が出てくる僧院モノなんて、いかにもな設定だもんねぇ。
 最初の殺人から徐々にメンバーがお互いを疑い出し、ついには連続殺人事件にまで発展していくのだが、物語がバタバタしてるうちに終わっちゃったかなって感じ。しかしキャラクター設定がしっかりしているので、混乱する事はなかった。こんなにキャラクターが生きている海外モノは久しぶりのような気がする。初めての作家だったけど、すんなり読めましたラヴゼイ。シリーズの前作はタッチが違うようなので、一作目から読んでみようかな。
 この本を読むと、昔のミステリが読みたくなる事請け合い。特にディクソン・カー。私は彼の作品をあまり読んだ記憶がないので、是非とも『三つの棺』は読んでみたいと思う。クリスティはほぼ全作読んだが、『なぜエバンスに頼まなかったのか?』は読み直したいなぁ。そしてこの間『シャーロック・ホームズの冒険』を読んでみたので、ホームズものも改めて全作読み返したいと思う。いい加減訳が分かりづらいので、文庫を買い直そうと思っているんだけどね。
猟犬クラブ 猟犬クラブ
ピーター ラヴゼイ (2001/06)
早川書房
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