HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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「虚像(メディア)の砦」/真山仁
「虚像(メディア)の砦」
テレビ業界を舞台にした社会派小説。「ハゲタカ」に比べるとスピード感は落ちるが、一気に読める良作。

虚像の砦 (講談社文庫 ま 54-5)虚像の砦 (講談社文庫 ま 54-5)
(2007/12)
真山 仁

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ハゲタカ/真山仁
NHKでドラマ化された「ハゲタカ」の原作でシリーズ一作目。ここでは1989年の年末、まさにバブル崩壊のはじまりから2004年までの日本が描かれている。不良債権処理、住専、金融危機など、今となっては懐かしい言葉と共にバルクセール、プレパッケージ再生、バイアウトなどの専門用語が物語を支える、骨太の経済小説だ。
主人公の鷲津はニューヨークから帰国して、ニューヨークの投資ファンド運営会社を親会社に持つホライズン・キャピタルという投資ファンド会社の社長に就任する。そこで最初に手がけたのが三葉銀行のバルクセール。不良債権の一括セールだ。三葉銀行の担当者だった芝野と、日光ミカドホテルのオーナー令嬢である貴子の出会い、そして山野証券の破綻を機に始まる金融危機。瀕死状態に陥った日本企業を次々と買収してゆく鷲津の真意とは一体?
三葉銀行、日光ミカドホテル、山野証券を始めとして、「どっかで聞いたような…」というエピソードと企業名がてんこ盛りで面白い。作者は元・読売新聞社の記者だったと言うから、そのリアリティはお墨付きだ。「ハニーコーン」で知られる太陽製菓の買収劇など、もろにユニゾン・キャピタル=東ハト製菓の構図だし。バブル崩壊後の経営破綻はゴルフ場経営が原因である事が多い。当時、何故企業はすぐにゴルフ場経営に乗り出したのか…その裏事情なども明かされていて興味深かった。なんかラストで明らかになる事実よりも、途中の企業買収話の方がドラマティックで面白かった気が(笑)。
私は元々、他人の褌で相撲をとるような商売は好きではないが、この本を読んでますます銀行が嫌いになった。そして企業を金づるとしか考えない米国的投資ファンドも同様だ。企業は誰のためにあるのか、そして会社に就職するというのはどういう事なのか。就職したらお給料もらって定年まで勤めるのが当たり前と思っているサラリーマンだったら、考えさせられるエピソードが盛りだくさんの物語だ。
バブル崩壊や金融危機という経験をしても、日本はまだまだ甘かったんだろう。金融業界の不良債権処理に国民の税金が使われ、外資のファンド会社が食い散らかした挙げ句にボロ儲けするという構図。綺麗事を言っても、痛みを伴わない企業再生などあり得ないと私は思う。でも企業の経営不振の原因と責任は経営者にあるのだ。その事を理解せずに企業を私物化して、放漫経営、乱脈経営の上にあぐらをかく経営者など山ほどいるのだろう。ハゲタカと呼ばれる外資ファンド会社と、どっちもどっちだ。ま、私はどっちも鳥肌が立つくらい嫌いですが。他人の人生を犠牲にしてまで得たお金で贅沢な暮らしをするなんて、全然羨ましくない。そして経営者というのは経営手腕はもちろんだけど、それより人間としての器の方が重要なんじゃないかと思う。自分の会社の社長さんはどんな人ですか?そんな事をしみじみと考えたくなる事だろう。

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テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

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