HOT SHOT! book
月1ペースで読んでいる小説の読書感想文です。
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孤独の歌声/天童荒太
昨年の「年末年始に読む本」キャンペーン対象本だったので新刊かと思ったら、初刷は97年だった。道理であとがきとか著者のプロフィールとか読んでも『永遠の仔』が出てこない訳だわ。天童荒太と言えば『永遠の仔』!そして所沢在住!今回初めてカバーで写真を見たけど、スゴイ顔した人だなぁ~イメージと違っててビックリ。いや、悪い意味じゃないんですよ決して。
 これは今はなき「日本推理サスペンス大賞」で優秀作に選ばれた作品だそうだ。新人が書いたとは思えない、構成のしっかりした作品だ。それぞれの登場人物が抱えるトラウマが「孤独」というキーワードで切なく描かれている。この人はいつも人の心の一番悲しい部分を抉るような物語を書く。そうならざるを得なかった自分、そうしなければいけなかった自分という言い訳の出来ない、逃げられない状況に登場人物を追い込んでいくのだ。今回は最後にそれが解放されるので、救われた。過去を消す事はできないけれど、そこから抜ける事はできるんだなあと思ったよ。
 物語はちょっと強引でちょっと偶然すぎて、かなりフィクション。特に歌手志望の潤平という設定が、ちょっとやりすぎかなーって感じだ。しかし彼がいなければ、『孤独の歌声』というタイトルはありえない。また彼が解放されなければ、物語は完結しない。彼はこの物語の象徴みたいなものなんだけど、ちょっと頑張り過ぎちゃったね。女性刑事に抱く想いがもうちょっとシンプルだったら良かったのになぁ、なんて思ったりしたけど、あれはあれで一種の切なさなのかも。現実だったら赤面モノのセリフが私としては違和感あったんだけどね。
 トマス・ハリスっぽいサイコミステリ。『羊たちの沈黙』に似てる。親が子供にどのような影響を与えるのか、を実感する恐ろしい物語だ。10代だって心はまだまだ子供なんだ。私はオトナとして、子供の心を歪めるような事は決してしないと心に誓ったよ。自分の子供を虐待するような親に、是非とも読んで欲しいものだ。子供にとって親とはどういう存在であるか、考えずにはいられないはずだ。
孤独の歌声 孤独の歌声
天童 荒太 (1997/02)
新潮社
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テーマ:本の紹介 - ジャンル:小説・文学

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